ものぐさ雑記帳

なんでもない日々をなんとなく生きる

映画感想「ゴースト・イン・ザ・シェル」

先日、「ゴースト・イン・ザ・シェル」を観てきた。

僕の変化に乏しい生活の中では、数少ないネタになりそうな事象なので、折角だし感想を残しておこうと思う。以下、あくまで個人の感想である。

  

結論から言うと特に面白くは無かった。

基本的にはアニメ版「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」を踏襲しつつも、初めて攻殻機動隊に触れる人にも受け入れられるよう結構な改変がされており、もはや完全に別の作品という方が正しいだろう。

中にはアニメ版の特徴的なシーンを実写で忠実に再現したシーンもいくつかあり、それはそれで興味深かった。

ただアニメ版全てをそのまま実写化するのに無理があることは想像に容易いので改変自体は必要だったろう。しかし、その方向性が僕には受け入れられなかった。

ハリウッド版は少佐の人間性に徹底してフォーカスした脚本となっており、普通に感情を表に出すし過去の記憶が無いことに思いっきり悩んでいたりする、あの少佐がである。

確かに映画単体としてみればそれなりにまとまっているのかもしれない。しかし”攻殻機動隊”という切り口で見た時には、少佐という物語上の特別な存在を一般人のレイヤにまで落とし込まんとするハリウッド版の追加要素はそのことごとくが邪魔に思え、ツギハギだらけの何とも不恰好な作品に見えた。

結果として「苦悩の中で成長を遂げ、さらなる高みを目指して飛び立ってゆく…FIN」的なある種お約束の枠組みの中にそれはもう綺麗に納まっており、視聴後は「こんなしょーもないもん攻殻持ち出してまでやることかよ…」というやるせなさに包まれること請け合いだ。

ただ完全に無価値だったかと言うとそんなことはなくて、唯一価値を感じた点を一言で表すと『現代の最先端の映像技術を駆使して攻殻機動隊を実写再現してみた』だ。

映像そのものの面白さは確かにある、あるが、それにしたってその動画に1,800円はやりすぎだろう。

 

以上